アンコール遺跡>バンテアイ・スレイ
バンテアイ・スレイの東洋のモナリザ

バンテアイ・スレイはアンコール・ワットの北東部に位置するヒンドゥー教の寺院で、シバ神とビシュヌ神に捧げられたものです。バンテアイは砦、スレイは女のことで、合わせて「女の砦」を意味しています。967年にラージェンドラヴァルマン王の時代に着工し、息子のジャヤーヴァルマン5世の時に完成したとされています。

バンテアイ・スレイはラテライトと赤い砂岩で作られた、彫刻が美しい寺院で、小規模ながらぜひ訪れたいアンコール遺跡の一つです。

特に右側の写真の、東洋のモナリザと呼ばれるデヴァター(女神)の彫像が有名で、1923年にアンドレ・マルローが像に魅せられて盗み出し、逮捕されたという逸話もあります。

バンテアイ・スレイは外周壁で囲まれていて、東側に入り口があります。門をくぐると参道で、参道にはリンガが並んでいます。下の写真、参道の両側の水は池ではなく、雨季にできた水たまりです。参道の奥には、バイヨンやアンコール・ワットのような、威圧感を持ってそそり立つ寺院は見えていません。

バンテアイ・スレイの参道

参道を進み、第一周壁の塔門をくぐると堀があり、土を盛った橋が第二周壁とその塔門へと続いています。バンテアイ・スレイの中心部は見ての通り、とてもこじんまりとしたものです。でもこの中に驚きの彫刻が隠されています。

バンテアイ・スレイの堀

第三周壁の塔門を抜けると、いよいよ核心部。バンテアイ・スレイの中央祠堂の前室に出ます。下の写真をクリックすると、超精細な拡大写真が表示されます。中央の破風の部分の踊るシバ神のレリーフなどをじっくりとご覧ください。左右の破風にもそれぞれレリーフが施されています。なお画像は約8.5メガありますので、ご注意ください。

バンテアイ・スレイ祠堂前室

このように、バンテアイ・スレイでは破風部分にヒンドゥー教の伝説を描いた美しいレリーフが数多く残されています。下の写真は、ラーマヤーナの一シーン、争う3頭のサルの兄弟を描いたレリーフです。

バンテアイ・スレイの争うサルのレリーフ

バンテアイ・スレイの核心部は何と言っても、中央祠堂の塔の周りのレリーフとデヴァター(女神)の彫像です。下の写真は中央祠堂の西側の面を撮影したもの。写真が若干歪んでいるのは、複数の写真を合成して一枚にしたためです。クリックすると、超精細な拡大写真が表示されます。13メガ以上ありますから注意してください。複数のデヴァター(女神)がいますので、鑑賞ください。

バンテアイ・スレイ中央祠堂

アンコール遺跡ツアー

シュムリアップ発のアンコールワット、バイヨン、タプロムなどを周るツアーは数多くあります。主に英語のツアーだと思いますが、自分で周るよりも効率よく、またガイドさんの案内があると、アンコールワット周辺の遺跡への理解も進み、お勧めです。

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